日本の独立リーグ・福井ミラクルエレファンツなどで活躍し、今年1月に開催されたアリゾナウインターリーグ・トライアウトに参加した西義隆投手(27)が、アメリカ西海岸を拠点とするゴールデンベースボールリーグのTucson Toros(ツーソン・トロス)と、プロ契約を交わしました。右横手から繰り出される多彩な変化球を武器にする西投手は手元の変化に弱い外国人バッターの弱点を生かし、スライダーやチェンジアップを巧みに織り交ぜ好投。その投球術とマウンド度胸を評価され見事に夢を掴みました。現在は、5月下旬から始まるシーズンに向け、日本で英語学習をしながら自主トレ中です。
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西投手は日本でプレーした後、自己のレベルアップとアメリカでのチャンスを掴むべく同トライアウトに参加。「自分の年齢も考えると、アメリカで可能性を試したい」という強い意志を持って渡米しました。

「外国人のバッターはどんな状況であれ初球のストレートを狙ってくる。」と西投手が語るように、日本ではカウントを整えていくための一球が命取りで初めはストレートを簡単に打ち返されてしまいました。「このままではまずい。何とかしないと・・・」と思いついたのが『変化球』でした。

アメリカのボールは日本のものに比べて縫い目が低く滑りやすい素材ですが、変化球を主体に投球を組み立てる西投手にとっては、「チャンス」だったそうです。天候によっても質感の変わるボールを生かし、その日の天候によって握り方を変えてみる事で、日本のボールにはない変化をし、バットの芯を外したり空振をするボールが増えました。またたくさんの日本人メジャーリーガーも悩むマウンドの違いにも西投手は苦とせず「そんなこと言ってられないですよ!(笑)」と持ち前の強い気持ちでカバーできたようです。

一方アメリカで野球をすることで苦労した点は予期せぬ緊急登板があるという事。日頃から日本人ほど「肩作り」に時間を割かないのがアメリカ式。ブルペンでも多くて30球程度しか投げ込まないアメリカ人投手を見て西投手はさすがに驚きを隠せなかったよう。「日本だとしっかり走って温めてからキャッチボールをして・・・という順番だったのに。ブルペンで無くマウンド上で肩を作る時もあった。」と現地でしか味わえない経験も味わった。しかしそんな経験も自分の選んだ夢への試練であり、それがアメリカンベースボールの姿なのです。そんな試練を乗り越え手にしたプロ契約。

「(アメリカは)結果を出さなければそこまで。やるしかない!」

静かに闘志を燃やす一人の侍に乞ご期待!