アメリカアリゾナ州ユマで38日間に渡って行われたアリゾナウインターリーグ・トライアウトに参加者が帰国してから、早くも3週間が経ちました。

2010年03月22日1



異国の地で自分の野球人生を懸けた参加者はどのような心境でトライアウトの望んだのか?そして実際本場のベースボールに触れて日本の野球とどう違っていたのか、参加者にインタビューをしてみました。


■「枠にとらわれずに挑戦したい!」■
今回参加した7人はそれぞれ年齢も違ければ球歴もさまざま。なぜアリゾナウインターリーグ・トライアウトを選んだのか、なぜアメリカなのか。。。
2010年03月22日2




Q. アリゾナウインターリーグ・トライアウトを選んだ理由は?

A. アメリカでメジャーリーガーになるという小さな頃からの夢を諦められなかった。今行かないと後悔すると思った。(20歳内野手)

A. 年齢を考えると日本では枠外・・年齢やバックグラウンドを問わないアメリカで自分の可能性を試したかった。(27歳投手)

A. 世界中から集まるレベルの高い選手の中での実力を試したかった(21歳外野手)

Q. 「アメリカで野球」と聞いた時、どのようなイメージがあったか?

A. パワー。とにかく振ってくるというイメージがあるので上手く対応したい(17歳投手)

A. 結果が全ての世界なので、自己管理が最重要。周りに流されずにやるべきことをやるだけ。(27歳投手)


■「えっ、もう試合!?」■
日本人メジャーリーガーが増え、近年日本でも『ベースボール』の概念が植え付けられてきたが、実際はどうだったのだろうか?
2010年03月22日3





Q. トライアウト中の1日のスケジュールを教えて下さい。

A. 朝は基本的自主練でした。チームによって集合時間が違いますが、試合開始の2時間前までに間に合えば大丈夫です。それでも日本人選手はみんな一番乗りにグラウンドに出て走り込んでました。「俺たちだけ!?」と思うくらい他の選手はギリギリまでホテルにいましたよ(笑)  (21歳外野手)

Q. 試合前はどのような練習をするのですか? 

A. チームごとにミーティングをやった後、軽くキャッチボールをやってすぐに打撃練習です。試合前のシートノックもなく「えっもう試合!?」って感じでした。僕は野手ですが、投手の人たちは打撃練習中の外野の守備だけで、ブルペンでの投げ込みもほとんど無かったみたいです。限られた時間の中でゲームに対する心構えを自分なりに作っていかないと難しいなと実感しました。(26歳内野手)

Q. 試合はどのような形式で進んでいくのですか?

A. 全6チームに分かれ3つの球場で試合を同時進行で行います。先発で出場しない野手は毎試合最低1イニングは出場機会が与えられます。投手は完投するケースもありますが、基本的には球数制限があります。ただ試合展開によって緊急登板もあるので、常に登板するかもしれないという覚悟をしていないといざマウンドに上がってもいいパフォーマンスはできません。参加している全員がライバルであるため、限られたチャンスをいかにして生かすか。本当実力社会だと実感しました。(20歳内野手)

Q. 試合後のスケジュールを教えてください。
2010年03月22日4




A. 日によって異なりますが、チームミーティングをした後は基本的には自主練です。トレーナー室に行ってアイシングをしたりマッサージを受けたりもできます。クラブハウス(ロッカールーム)で外国人選手と談笑したりテレビを見てリラックスするのもコミュニケーションを図る大事な時間だと思います。グラウンドは自由に解放しているので、走り込みをしたり打ち込みを行ったり、マイペースで練習ができるのは非常に魅力的でした。ただ結果が出なければ自主責任ですが(笑) (27歳投手)


■「下を向いている暇なんて無い。切り替えないと。」■
同じ球技なのに国が違うとここまで違う野球とベースボール。参加者は両国間の違いをどのように感じたのか。

Q. 『野球』と『ベースボール』の違いとは?

A. まず思ったのが野球に対する考え方でした。僕が痛恨のエラーをして逆転を許してしまった試合がありました。結果、チームはサヨナラ勝ちをしたのですが、自分のミスでチームに迷惑を掛けてしまったので、試合後にみんなに謝りました。すると「なんで謝ってるの?試合が勝ったからいいじゃないか!ミスした事なんて気にするなよ。勝ったんだから喜ぼうぜ!」と言われました。勝った事で自分のエラーなんてみんな覚えてもいませんでした(笑) 普段のコーチからのアドバイスを聞いても、むこう(アメリカ)では短所を克服するよりも、長所をどんどん伸ばしていくという指導方法だったので、日本人には合っているのかなと思いました。ミスして下を向いている暇なんて無いんだなと。とにかく次何をやるべきか切り替える事を学びました。(20歳外野手)

Q. 今後はアメリカでのベースボールにこだわりはありますか?

A. はい!今回残念ながら契約はできませんでしたが、自分の実力が分かったし、次への課題が見つかったのでこれからもチャレンジし続けたいです!(20歳外野手)


A 正直今回は自分も持っている実力を100%発揮できなかった。発揮できなかった理由も分かっているので、次は絶対に結果を残してプロ契約を結びます!(20歳内野手)


A 年齢がいくつであれ自分のやることは1つ、「結果を出す」。後悔しないように投げ続けます。(27歳投手)

今回残念ながらプロ契約の切符を手にする事ができなかった選手も、アメリカで感じた事、得たものは計り知れない貴重な経験です。メジャーリーグという夢を見据えまた新たなチャレンジが始まります。